俺はまず小手調べとして、愛用の大太刀を手に真っ直ぐ切り掛かってみた。
相手は魔法陣構築科、剣を持ってはいるが恐らく護身程度にしか使えないだろう。
地を蹴りながらそんな予測を立てた俺は、口の中で素早く【筋力増強】【魔法耐性】の魔法を詠唱して自分にかける。
しかし、その時――
「冒険者ギルドAランク――『閃光吹雪』、参ります!」
目の前の少女はそう名乗るやいなや、猛烈なスピードでこちらへと接近してきた。
そして、左手に本を持ったまま右手だけで剣先を繰り出してくる。
俺はその攻撃を、振り上げた大太刀で弾き飛ばそうとした。
しかし――
「……な、にぃっ!?」
次の瞬間、俺の剣は少女の剣に弾き返されていた。

