「そーかそーか、甘えたいか!それなら大歓迎だ、遠慮なくいくぞ!」


「ぎゃー!来たぞシェイド!!」


「了解です!先生、悪いけど魔法で【拘束】……ってなんで効かないんですか!?」


「【睡眠】!【停止】!くっそ、魔法が当たらな……っぎゃぁぁああああ!?」


「二人とも、捕まえたぞー!」



目を丸くする私の前、頬を赤く上気させたガンツ先生が魔法を打ちまくるユウリ君とシェイド君をアッサリ捕まえる。


そして、そのまま――ぐりぐりと物凄い勢いで頭を撫で始めた。



「うわぁ、はげるっ!はげちゃいます先生ぇーっ!!」


「大丈夫だ、まだお前ら若いからな!なんなら実験するか!?」


「ちょ、どこから出したんですかそのナイフ!やめて、髪の毛を掴まないでぇぇえええ!!」



嬉しそうにニコニコ笑う先生と、涙目になりながら抵抗する二人。


そんな彼らを見て固まっていると、後ろから「大丈夫だった?」と声をかけられた。


振り向くと、そこに立っていたのはアレン君。


私は床に座り込んだまま、阿鼻叫喚の地獄絵図状態となっている彼らを指差した。