(サクヤ先輩め……!)
恐らく、ガンツ先生にお酒を飲ませるとどうなるかしっかり把握した上で飲ませたのだろう。主に私たちを困らせるために。
思わずサクヤ先輩を睨みつけていると、騒ぎを聞きつけたユウリ君とシェイド君がやってきた。
「どうしよう、ガンツ先生がよりによってセリナちゃんに絡んでるよ……」
「セリナお姉さんのこと助けたいけど、助けたいんだけど……ッ!」
「でも、ここで助けなきゃ男じゃないとも思うんだよね……」
二人は何やらゴニョゴニョと話し合うと、意見がまとまったのかひとつ頷いた。
そして、こちらをキッ!と睨みつけると。
「ほらほら先生、こっちにも構ってほしい生徒がいますよー!」
「セリナお姉さんばかりじゃなく、僕たちにも構ってくださいよー!!」
先ほどまでの険しい表情から一変。
二人はニコニコと無邪気な笑顔を浮かべ、私の方へ近づいてきた。
何をする気なのだろうと二人の方を見つめていると、不意に私を拘束していた腕が外れた。
驚いた私が顔を上げると――そこには、信じられない光景が展開していた。

