(まぁ、順位なんて正直どうでもよかったんだけどね)



私はそんなことを考えながら、近くにあったポテトチップスをつまんだ。


今日のパーティー、飲み物と食べ物については参加者が持ち寄ることで成立している。


ちなみに私はグラタンを作った。


多めに作っておけば、バイキングと同じの要領で各自好きなだけ自分の皿に盛れると考えたからだ。



(……ってそういえば、ユウリとヒースが持ってきた物もこの中にあるのか)



3人で料理の特訓をした事を思い出した私は、並べられた皿をじっくりと見つめた。


可愛らしいプチケーキや色鮮やかなサラダ、中には誰が用意したのか鳥の丸焼きまで置いてある。



(なんか、予想以上に豪華な物もあるなぁ……)



そんな事を考えながら、鳥の丸焼きを食べようと思った私は切り分けるためのナイフへと手を伸ばす。


その時だった。



「セリナぁー!!」


「うひゃっ!?」



突然後ろから誰かに抱きしめられた。たくましい腕が腰に回り、ギュッと強めに拘束してくる。


驚いた私が変な声を出したまま固まっていると、耳元で低い声が囁いた。