……いや、なんでそこで教えてくれないんですか。すっごく気になるんですけど!
ムッと学園長の方を睨みつけると、彼は笑いながら窓を開けた。
そして。
「まぁ、なんにせよ――おめでとう」
その言葉を最後に、彼はふわりと窓を飛び越えて姿を消してしまった。
(あの年齢不詳ジジイめ……煽るだけ煽って逃げやがったな!?)
怒りのあまり、思わず右の拳をギュッと握ったその時。
「失礼します」
という綺麗な声と共に、保健室の扉が開いた。
そこに立っていたのは――
「……リタ!」
「せっ、……セリナー!!!!」
澄ました顔で保健室へ入ってきたリタは、私を見るなり物凄い勢いで飛びついてきた。ちょ、私さっき起きたばっかりなんですけど。
「よかった、よかったぁ!!これでセリナが目を覚まさなかったらどうしようかと!」
「う、うん」
「って、みんなも早くー!セリナちゃんの目が覚めたよー!!」
強い力で抱きすくめられて硬直していると、リタが大きな声で保健室の外へと呼びかけた。
その声を聞いて、保健室に入ってきたのは……
「おや、セリナさん。無事に目が覚めてなによりです」
「……ふんっ、俺は普通に大丈夫だと思ってたけどな!」
「そんな事言いつつ、リョウ先輩ってば全然元気なかったですよね?」
「あぁ、それは思った」
「まぁなんにせよ、セリナさんの意識が戻ってよかった!」
「僕も心配してたんだよー?」
「……よかった」
「セリナお姉さんが無事で良かったよぉー!!」
いつも通りのイケメン軍団とガンツ先生が、私のベッドに集まってくる。
そして。