「あれから、随分経ったな……」
俺様はそう呟きながら、ガルヴァールの正面玄関をくぐった。
何があったか分からないが、セリナはクエストが終わると早々に帰っていった。
もちろん俺様もすぐに帰ろうとしたのだが、帰る途中で新たなゴブリンの群れに遭遇してしまったため、
見て見ぬフリをする事もできずもう一戦してしまったのだ。
そうしたら、もう夜だ。
「……セリナ」
早く会いたくて、俺様は寮へ向かう足を速める。
――だが俺様を出迎えたのは、誰もいないセリナの部屋だった。
「……あ?」
予想が外れた俺様は、眉を寄せながらセリナの魔力がどこにあるか探し始めた。
……契約相手の魔力を辿る事で居場所を割り出す【探索】も、セリナと俺様の魔力がしっかりと同調し、《龍玉》の色が金色になるまでは使えなかった。
魔力が同調していない状態で、魔力の交換以外に《龍玉》を使えば、何が起こるか分からなかったからだ。
それが、今は五感までリンクできるようになったんだから進歩だよな……なんてしみじみ考えながら、俺様はセリナを探す。
直後。

