(……面白い)
思わず呟くと、少女は不思議そうな表情で首を傾げた。どうやら意味がよく分からなかったらしい。
……まぁ、そんな事はどうでもいい。今優先すべきなのは、精霊から頼まれた少女の保護だ。
(……って言っても、どうするかなぁ)
俺様は思案しながら、足を一歩前に進めようとした。
しかし。
『……だめ』
少女がポツリと呟いた直後、俺様の足は動かなくなってしまった。
『な……っ!?』
『私は、汚れちゃったの。だから、貴方は、来ちゃダメ。貴方まで、汚れちゃうから』
念を押すように、短く区切られた言葉。
その言葉に――正確には、言葉に乗せて放たれた魔力に――俺様は逆らえなくなる。
……こんな事は初めてだった。
(……ますます面白い)
俺様は心の中で呟きながら、少女に問いかけた。