……それからの事は、よく覚えていない。


けれど正気を取り戻した時、私の手や衣服は真っ赤に染まっており、今まで住んでいた村はその面影を残して吹き飛んでいた。


覚えてはいないけれど、恐らく私がやったのだろう。



『みんな……』



今さらのように押し寄せる罪悪感。


それと同時に湧き上がる、村人たちの憎しみと怒り。


――私がクリュウと出会ったのは、その直後の事だった。



***



「……よし、到着」



過去に浸っている間に、森の中心へと到着してしまったらしい。


私は、不気味な静けさに包まれた森を見まわしながら、周囲に何もない事を確認する。



――そういえば、リタ曰く私は吸血鬼では無いらしい。



『といっても、その話は詳しく知らないんだ。『LOVERS HOLIC』を初回限定盤で買った人のみ、限定ノベルがついてたんだけど……私は通常盤で買ったから』



だそうだ。