……前世の私は、本当に平凡なアラサーOLだった。


ただし根暗で、恋人がいない歴=年齢の状態。さらに重度の乙女ゲームオタクで、毎月給料の半分を新作乙女ゲームの購入に費やしていた。


覚えている前世最後の記憶は、当時大ハマリしていた乙女ゲームを歩きながらプレイしていたら、真っ白な光と共に後ろから衝撃に襲われたこと。


……恐らく、交通事故だったのだろう。


まぁ、前世なんて正直どうでもいい。大切なのは今だもん。そう思い直した私は、なんとなく残っているこの世界の記憶を引き出して


――愕然とした。


そう、私は気付いてしまったのだ。この世界が、死ぬ直前までやりこんでいたゲーム――『LOVERS HOLIC』そのままである事に。


そして自分のキャラが、主人公と攻略対象が近づくのを手助けする『サポートキャラ』と呼ばれるものだった事に。



(と、いう事は……)