「ぐるるぉぉぉぉオオオオオオッ!」


「…………ッ!」



身の毛のよだつ声を上げながら、無数のゴブリンが私目がけて攻撃してくる。


その攻撃を素早く回避しつつ、私はカタナを振って数匹の首を一気に撥ね飛ばした。


そのまま、盛大に血を噴き出して絶命する仲間を見て硬直するゴブリンの急所を的確に切りつける。


上がる怒号と血飛沫。真っ赤に染まる視界と生温い返り血が、私の世界を覆っていく。


愛用のカタナの柄に嵌まった赤い石が、血を浴びて妖しく輝いた。



(……これが、地獄って事なのかな)



彼らの命を次々と狩りながら、私は心の中でぼんやりとそんな事を思った。


そしてふと、『閃光吹雪』という名前が付けられたのもこんな時だったな、と思い出す。