今度は誰だ、と思いながらそちらへ視線を向けると



「はじめまして、黒髪の綺麗なお姉さんっ!」



――そこには、天使がいた。


太陽の光を浴びてキラキラと輝くプラチナブロンド。澄んだ青空のような色合いの瞳。


そして、



「……狙ってます?」


「へ?」



まだあどけなさの残る顔立ちと大げさな手振りが相まって、なんかもう……ものすごく愛らしい。


思わず確認しちゃったけど、これが狙ってないというのか!天然だというのか!!本人、私の問いかけに首傾げてるし!


心の中で絶叫しながら、私はその『男の子』と握手をした。

す、凄いなリタさん……。こんなアイドルみたいな人まで魅了してんのか。


彼は自分のことを『補助科一年のシェイド』と名乗ると、滑らかな動きで私の右手を取り、その甲に口づけた。



(なるほど、これが天然のタラシってやつなのか……)



あまりにも鮮やかなその身のこなしに、驚きを通り越していっそ感激していると



「おーいリタ……って、いねぇな」


「本当だー!なんで!?」


「……あれ、ヒース君にユウリ君」



朝に出会ったイケメン二人まで、リタさんを求めてやってきたようだ。