■8■
『呪い』の魔法にも上級から低級まであって、その効果も実に様々だ。
最も悪質であり有名なのは《七つの大罪》と呼ばれる呪いたち。
それぞれ
《強欲》《憤怒》《嫉妬》《怠惰》《色欲》《傲慢》《暴食》
の効果を持つ魔法陣のありかは最重要機密とされていて、世界中に飛び散ったそれらがどこにあるか正確に把握している人はいないとされている。
そして、今回使われた『呪い』は、《怠惰》から派生した中級の呪い――《疲労》だった。
「く、ぅ……っ!」
皆が一斉にその場へ崩れ落ちる中、唯一踏みとどまれたのは私だけだった。
呪いの直撃を受けた左腕をダラリと垂れ下げながら、私は自分の身体の状態をチェックする。
……どうやら、咄嗟にかけた 【魔法耐性】が効いたらしい。