――実際、アレン君の作戦は一定の効果を上げていた。


あれ以来嫌がらせの手紙も魔法陣も見てないし、犯人と思われる女子グループも見つかった。


あとは、証拠を集めるだけなのだ。


私はリタの頭を撫でると電気を消し、二人でベッドに寝転ぶ。



「ほらほら寝るよー?明日の朝は早いんだから」


「えー。まだ眠くないよセリナちゃん……」


「なに言ってんの!一流の冒険者になるには、まずいつでもどこでも寝れるようにならなきゃいけないんだよ!」


「そうなの?」


「そうそう。例えばね……」



私が冒険者時代の事を話し、リタがそれに質問したり、笑ったりする。


そんな和やかな空気が流れる中、いつしか私たちは眠りについていた。


――そして翌日。


ガンツ先生に引率してもらい、学園の西にある『魔の森』へとやってきた私たちは。



「な……なんで森の深部でもないのに、こんなに大きな魔獣がたくさんいるんだーッ!」



森に入って早々、私でも一、二度しか見かけたことのないような大型魔獣と大量に遭遇することになった。