「そ、そうなの!?いや別に、嘘つかなくていいんだよ!?」


「嘘なんかついてないよ!」



つい疑ってしまう私と、なんとか信じてもらおうと躍起になるユウリ君の意見がぶつかりあう。


その議論は互いに一歩も譲らず、事態が膠着状態になりかけたその時――



「ハイハイ二人とも落ち着いてー?」


「「ぎゃぁぁぁあああああ!?」」



ずっと黙っていた委員長が私たちの頭をグワシッ!と掴み、そのままギリギリと力を込めてきた。



「ちょっ痛いよ委員長潰れる潰れる潰されるーッ!」


「アレン君そこはやめてこめかみは痛い!痛いってばー!」



委員長の魔の手から逃れようとジタバタする私たち。


それを見たアレン君はにぃっこり、と黒い笑顔を作ると



「それだけ仲が良いなら、お互いの意見もちゃんと聞けるよなー?」



と促して(というか脅して)きた。その笑顔が怖いよ委員長!普段の優しさどこ行った!?



許してほしくて頭をガクガクと縦に振ると、ようやく解放してもらえた。ユウリ君も同じタイミングで解放してもらえたらしく、二人揃って地面に崩れ落ちる。


だけど――これで、少しは冷静になった。



「ごめんユウリ君。それじゃあ悪いけど、もう一度最初から話してもらえる?」



私はまだ痛みの残る頭に手をやりながら立ち上がり、ユウリ君の方へ向き直った。