昨日よりも少しでいい





「…」


黙ったままの先輩を突き放して


将平は先に帰る方へ向きを変えた。



「……すいません、先輩…」



一応先輩なんだから変わりに


謝って軽く頭を下げて


将平の後に続く。



「……それだけで十分なんだ……」


「?」



先輩が何か言った気がしたけど


振り返ったら


先輩はもう歩き出していた