「心華の病室はA106よ」



病院につくと心華のお母さんが

優しく笑ってくれた


俺は一度立ち止まって
深く頭をさげ病室に向かった

走りながら色んな事を

考えていた



俺はいつも過去を悔やんでて


お父さんが飲酒運転で

ひいたのが心華と心華の父親と

聞いたそのあ日から


心華だけが意識を取り戻し

俺を忘れてしまったあの日から


忘れることはありえなかった

憎しみ、悲しみ、償い


それだけを考えて生きてきた


唯一の父親も死んで

何もなくなった


でも心華も皆前を向いて生きていた



「心華」

「青野先輩!?」


償いとか言いながら

俺はずっと逃げてただけなんだ

心華からも俺からも


もう逃げないよ…心華