昨日よりも少しでいい






「なんで俺何かの心配するんですか?!

 憎く…憎いはずだろ?!」



最愛の人を殺した奴の息子


俺だったら絶対できない



「…ごめんなさいね」


「だから、なんでっ……!」



事故から初めて会った日


私の夫を返して、と


泣きながら叩かれたのは


今でも頭から離れない


なんで…



「あなたが殺した訳じゃないのに

 その後たくさん辛い思いをしたのに…

 あなたのお父さんは私達が殺したも同然ね」



ごめんなさい、ごめんなさいね


そう繰り返しながら


俺を優しく抱き締めてくれた。