「懐かしいな」

床に崩れ落ち、たまたま手に取ったアルバムをめくりながら俺は呟く。

この一冊に、全てが詰まっている。

秘密基地で遊んでいた頃。

引っ越した頃。

遊園地。

海水浴。

そしてプリクラのシールまで。

千秋、トモ、俺の全ての写真が、この一冊に詰め込まれていた。

と。

「ねぇ、片付け終わった?」

突然声をかけられ、俺は振り向く。

「おお、わり。途中でアルバム見つけて、それ見てた」

「何さぼってんのー?早く片付けてよー」

叱られながらも、俺は笑顔でアルバムを閉じる。

「そんな言うなよー、この写真見るのも久しぶりなんだからさー」

そう言って俺は、彼女にアルバムを渡した。