オモイデバナシ

ある日の事。

「…なんだ?」

家の外から、バイクのアクセルを吹かす音が聞こえてきた。

不必要なまでの排気音。

…どっかのバイク小僧が暴走してるな?

全く、ガキだなあ。

そんな事を思いながら、俺はベッドに寝転んで雑誌を読んでいた。

ところが。

バイクの音はどんどん近づいてくる。

最後には耳を塞ぎたくなるほどの大きな音になっていた。

この音の大きさ。

おいおい、もしかして、うちの前まで来てるんじゃないか?

二階の窓から顔を覗かせると。

…やっぱりいた。

400ccのバイクにまたがった、華奢な感じの兄ちゃんが一人、うちの前にいる。

どこの小僧だ?

とにかく、近所迷惑だ。

一発説教してやらないと。

階段の方に向かおうとしたその時だった。

「こうちゃん」

二階から見ていた俺に向かって、バイクの兄ちゃんは言った。

ん?何だお前?

俺はお前みたいな奴知らないぞ?

そう言おうとした時、バイクの兄ちゃんはフルフェイスのヘルメットを外した。