過ぎた事を悔やんでも仕方がない。

今の俺に必要なのは、いつまでも未練がましく千秋の事を引きずる事ではなく、前を向いて歩き始める事。

そして、今度千秋が会いにきた時には、笑顔で向き合えるようになる事。

…もう一度自分に言い聞かせる。




千秋とは終わったんだ。



しばらくはその言葉で胸が痛むかもしれないけれど、大丈夫。

すぐにいつもの俺に戻れるさ。



そうやって俺は、千秋の事は割り切るつもりだった。

終わった恋はすっぱり忘れ、新しい恋愛に一歩踏み出す。

そういう風に考えるつもりだった。

なのに。





本人のあずかり知らない所で、その俺の考え方をよしとしない奴が一人居た。