俺の車のルームミラーには、千秋と一緒に撮ったプリクラが貼ってある。

…車に乗るたびに、いやでも目に入ってしまう場所。

千秋があの日、悪戯っ子全開で貼り付けたものだ。

はっきり言って辛い。

辛いのに…。

千秋が貼ってくれたものだと思うと、剥がせない自分が居た。

自己嫌悪だ。

俺ってこんなに女々しい男だったんだな。

こんなもん、スパッと剥がしてゴミ箱にでも投げ込めばいいんだ。

そう思って手を伸ばし。

「……」

いつも、その手をゆるゆると引っ込めてしまう。

…千秋と最後に会った日から一ヶ月。

未練の塊がまだ胸の中に残っている。











俺は、千秋の事が忘れられないでいた。