「ほ、ほら、俺も缶コーヒー1本飲んだ後だし!そんなに飲めないって!」

慌てて笑ってフォローする。

「そうだよね」

何とか笑う千秋。

…その笑顔に、さっきまでの明るさはなかった。





どちらからともなく、車に乗り込んだ。

家路に着く頃には、外はすっかり暗くなっていて。

特に何も言葉をかけられないまま、俺は千秋を家に送り届けた。

「あら、千秋、こうちゃんとご飯食べに行ってたの!?」

玄関先で千秋のお母さんとバッタリ会って、ならちょっとお茶でもと言ってくれる。

けど。

「いえ、もう遅くなってきたし…お邪魔ですから」

俺は愛想笑いを浮かべて、そのまま車を走らせる。








帰りたかった。

早く一人になりたかった。