そんな千秋たち抜きの日々が続いていた、17歳のある夏休みの事。

「ふいーっ、あちい…」

バイトから帰ってきた俺は、着ていた服を脱いで、トランクス一丁で扇風機の前で涼んでいた。

今年の夏は特に暑い。

バイトで散々こき使われた後、自転車でエッチラオッチラ帰ってくると、大雨でも降っていたのかってくらい汗でびしょびしょになる。

なのに。

「耕介ー」

帰ってきて5分もしないうちに母さんが呼んでくる。

何だよー、用事ならもう少し涼んでからにしてくれよ。

「耕介ーっ」

また呼んでくる母さん。

もうちょっと待ってってば。

「もう仕方ないわね」

そんな母さんの声の後。

「おばちゃん、私が呼んで来る」




…何だか、聞き覚えのある声が聞こえた。




ん?今の声って…。


記憶を辿る暇もなく。




「こうちゃん久しぶり!遊びに来た…きゃあっ!?」

なんか可愛くなった千秋が、俺のトランクス姿を見て悲鳴を上げた。