そんな高校生活は、それなりに満足できるもので。

高校二年の時、恋愛もしたりした。

片思いだったけどね。

クラスメイトで、すごい元気な子だった。

誰にでも分け隔てなく接して、明るくて、優しくて、相手が男だろうが女だろうが、先生だろうが、おかしいと思ったら絶対に譲らないタイプ。





…あれ、こいつって、何だか千秋に似てない?





そうなのである。

俺とした事が、この時になるまで、すっかり千秋とトモの事は忘れていた。

というか、忘れる事にしていた。

だって、千秋の奴中学に上がったら、ちっともうちに遊びに来なくなったし。

最近うちに来るのは千秋んとこのお母さんだけだ。

「まあこうちゃん、頼もしくなってー」

なんて言われるのは嬉しいけど、たまには千秋も連れてきてよ、おばちゃん。

…千秋のお母さんが話すのは、前に住んでいた近所の誰々さんがどうしたこうしたとか、あとは千秋とトモが元気にしているっていう、その程度。

千秋たちの事は、正直よくわからない。

大した用もないのに、こっちから会いに行くのも、何か変だと思ったし。