まぁ、アトラクションとしては三流だったかな。

そう思ってお化け屋敷の出口から出ると。

「あれ?」

出口では、千秋のお父さんと…トモが待っていた。

「トモ、いつの間に出てきたの?」

俺が言うと、おじさんが笑う。

「こいつビビッて入り口からすぐ戻ってきたんだよ」

「……」

トモは情けない表情でモジモジしている。

え?あれ?

じゃあ、俺の手を途中で握ってきたのって。

今、俺が手を握っているのって…。

振り向くと。

「……」

真っ赤な顔で、お化け屋敷どころじゃありませんでした、みたいな顔した千秋が俯いていた。

「えええええっ!?」

俺は驚いて手を放す。

おじさんとトモは大笑いしていた。

「い、いつの間に!!」

ずっと手を繋いでいたという事実に赤面していると。

「だって…怖かったんだもん…」

照れたように、拗ねたように、千秋は小さな声で呟いた。