この時期まで、二人には何度か会っていたので、全く見かけなかったというわけじゃない。

でも、こんなにじっくりと二人の姿を見るのは、思えば久しぶりだったかもしれない。

千秋は12歳。トモは11歳。

俺の記憶の中は、まだまだチビッ子な二人が占領している。

だから改めて対面した二人は、とても成長しているように見えた。

「ひ…久しぶり…」

ちょっと声が裏返った俺。

柄にもなく、千秋たちに会って緊張しているらしい。

「あっ、あのっ」

千秋もそれは同じらしかった。

「久しぶりっ…こうちゃん、高校進学おめでとうございますっ」

きっと、そう言いなさいよとお母さんに言われたのだろう。

千秋はとってつけたように言って、ペコッと頭を下げた。

「おめでとうございますっ」

トモもつられて頭を下げる。

うお、トモ、お前声変わりし始めてるじゃん!

つくづく、ちゃんと会うのは久しぶりなんだなと実感する。

「ま、まぁ、上がれよ。お茶でも出すからさ」

そう言った俺を。

「う、ううん!いいの、今日はちょっと寄っただけだから!」

千秋は手を振って断る。

一端に遠慮というものを覚えたらしい。

トモの方は、上がりたそうな顔してたけど。