中学になると、だんだん近所の友達以外との付き合いも増えてくる。

部活の先輩や後輩、別の中学の友人など。

部活の練習とかもあるし、試験なんかもあって、いつもいつも遊んでられる子供の頃とは違ってくる。

特に違うのは、中学に入ると、そろそろ自分の進路なんてものも考えなきゃならなくなる点だ。

中学に入学して、三年後には早くも高校という進路選択が待ち構えている。

のんびり過ごしていた子供時代はいつの間にか終わり、俺は慌しく毎日を送るようになっていた。

勉強、部活、進路、友人関係。

そこにだんだん、千秋やトモの入る隙間はなくなってくる。




千秋は変わらないでいてくれる。

でも残念ながら、俺のほうは変わらないでいられなかった。



今でも時々、買い物帰りとかに千秋のお母さんが家に寄って行ってくれてるらしい。

母さんに頼まれて、千秋の家に多く作りすぎたオカズを持って行ったり、なんて事もある。

だけど、昔みたいに長々と、千秋やトモと話している暇はない。

生意気だけど、中学生になった俺はそれなりに多忙だった。