夕暮れ時の細い道。

三人で並んで歩くと、あの子供の頃を思い出してしまう。

「よくこうやって一緒に帰ったよね」

千秋が前を向いたまま言う。

「そうだなー。いつもトモが帰ろうって最初に言うんだよな」

そう言ってトモを見ると、トモはそうだっけ?なんて顔をしてた。

「そういえばあの秘密基地、今は土管なくなって店ができてるんだぜ。知ってた?」

「え?そうなの?」

俺の言葉に千秋は驚く。

「残念…秘密基地なくなっちゃったんだねー」

彼女の横顔は少し、寂しげに見えた。

俺は引っ越して、秘密基地はなくなって…。

こうして少しずつ、色んなものが変わっていく。

今に俺と千秋たちも変わっていくのかな…。

こうして会う事もなくなって、他人みたいになっていくのかな…。

少しずつ大人になってる俺は、永遠が信じられなくなっていた。

こんな幼馴染みの関係も、いつかなくなってしまうんじゃないかと危惧していた。