オモイデバナシ

引越し当日。

近所のおじさんやおばさん達が、みんな荷物を運ぶのを手伝ってくれた。

千秋のお父さんは、どっかからでかいトラックを借りてきてくれて、家具やら何やらを手際よく運んでくれる。

…千秋のお父さんは、やっぱすごい。

俺は自分の父親よりも、千秋のお父さんを尊敬している。

かっこいい。頼もしい。

こういう男になりたいって思った。

「いいか、こうちゃん」

引越しの途中。

休憩しながら、千秋のお父さんは俺に言った。

「これからは、こうちゃんがお母さんの事助けてやらなきゃ駄目なんだぞ?もう男の子はこうちゃんだけなんだから、強くなって、こうちゃんがお母さんを支えてやるんだぞ」

そう言って俺の肩を叩いた千秋のお父さんの手は、がっしりしていて力強くて、勇気付けられた。

今もあの手は俺の目標だ。






おじさん、俺はおじさんに追いつけてますか?

母さんを守れてますか?

頼もしい男になれてますか?