父さんが借金していて。

それがもう返せない額にまで膨れ上がって。

父さんと離婚して。

この家は手放さなきゃならなくなった。

当時13歳の俺にもわかるように、母さんは説明してくれた。

…そんな事言われたって、まだガキの俺には大人の事情なんてよくわからない。

ただ、突然引っ越さなきゃならないという事実は、子供の俺には地震や雷みたいな災害と似たようなものだった。


平和に暮らしていたのに、突然降って来た災難で、ここにいられなくなる。









子供にとっては、災害と一緒だった。