雫と友人は外見では正反対だった。
雫は今時の高校生とは違い、お洒落に無関心で化粧もしたことがなく、ブランドにも興味を持たない女子高生である。
しかし、友人はバリバリの化粧をしていて、持ち物は全てブランド物で、今時の女子高生だった。

そんな正反対の2人が友人になったのは、高校2年生の新学期だった。
2年生からは、理系と文系のどっちかにわかれるようになり、3年生になってもクラス替えがないのである。
雫は2年生で友人と同じクラスになり、同じ班になった。
雫の学校は、クラスがほぼ40人ずつでできているため、4人1組の班を作り卒業までその班で協力し合うようになっている。
それから、雫はその友人と仲良くなっていった。

外見は正反対の2人だったが、性格が似ていたため直ぐに仲良くなっていった。


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雫は古びた椅子に座り、弁当箱を開けた。
毎朝、母が早起きをして作ってくれている弁当を見下ろした。
友人は、いつも雫の弁当の中に入っている卵焼きが大好きで、いつも雫の弁当の中から卵焼きを盗んで食べていた。

雫は箸で卵焼きを挟むと口の中に入れた。
久しぶりに卵焼きを食べたような気がした。


別に、友人と連絡を取り合わなくなったわけではない。
GW中も友人と遊んだし、2日に1回はメールをし合っている。
友情は今までも続いている。