「次の入れて!」
「もう入ってる」
画面を見ると次の曲が既に入っていた。
優羽はマイクを握り直すと笑顔を浮かべた。
***
「すっごく楽しかった〜!」
「それはよかった。だけど、失敗だったな」
店を出た紫音は苦笑を漏らす。
「なんで?」
「またデートが全部カラオケになる」
結局歌い足りなかった優羽は、時間を延長してもらいとにかく歌いまくった。
最終的に自分しか歌ってなかったような気がする。
「ご、ごめん……」
「ま、お前が楽しけりゃいいよ」
そうやって笑顔になった紫音によくない!と返す。
「今度は紫音の行きたいとこ行こう?絶対だよ」
紫音は驚いた後クスリと笑いを漏らす。
「それってデートに誘ってくれてるの?」
「………………そうだよ」
デートという単語を肯定したくなかったそれがそのまま間になって現れた。
「じゃぁ、喜んで誘われると致しましょうか」
「普通に言いなよ——っ」
苦笑していたはずの優羽の表情が突然険しくなる。
そして咄嗟にドンと紫音のことを強く押し自分もその場から飛び退いた。


