こんな能力(ちから)なんていらなかった




「だって、そんな二ヶ月じゃあんまり仲良くなかったでしょ?なんでそんな安心してんの?」


 優羽の問いを理解出来なかったのか、紫音は一瞬反応がなくなった。

 が、すぐに怖い顔になる。


「必死にお前を探した友人に対してそれはないんじゃねぇの?」

「……探したの?」

「必死にな」


 紫音の声に嘘は感じられない。


「本当に……?」

「なんで疑うんだよ……ってなに」


 振り向いた紫音は呆れ顔だった。
 それがどんどん焦った顔になる。


「なんで泣いてんだよ?」

「嬉しいから、かな?……私も分かんないや」

「嬉しい?なんで?」


 顔を顰める紫音に素直に告げる。


「私に友達なんていないって思ってたから……」

「は!?」


 予想外だったのか紫音は大きな声を出す。
 私は五月蝿いと注意した。
 けどあの様子じゃ聞いてない。


「でもなんで?」

「……誰も見舞いに来なかったから」


 夏休み全部ベッドの上で過ごした。

 そんな優羽の元に訪れるのは家族と名乗る数人のみ。
 自分と同年代の人なんて誰もやって来なかった。