「あんな煽るようなこと言って、……襲うぞ」
しかも考えてみれば自分にだけ告白させといて、優羽の口からは一言も“好き”が出ていないのだ。
はっきり言って優羽が目を覚ました時の反応が怖い。
これでもし、優羽の嫌われたくないが“友達だから”っていう意味だったら、泣いてしまうかもしれない。
紫音は優羽の顔を見ながら頭を抱えた——
◇
遠くでキーボードを叩く音が聞こえる。
優羽はむくりと身体を起こすとまだ目が開いていない、寧ろ閉じている状態でパソコンを探す。
パソコンの代わりにドアから漏れる光を見つけた時優羽はのそりとベッドから足を下ろす。
——が。
「……うわっ」
思ったよりもベッドが高かったらしく、優羽はバランスを崩し床に落ちた。
「いっつーーー」
いくら絨毯が柔らかいとは言え、痛いものは痛い。
腰をさすりながら上体を起こした時誰かが優羽の身体を持ち上げた。
「ひゃ……!!」
ボスッとさっきまでいたベッドに頭からダイブする。
何すんの!と顔を上げた優羽は、予想外の人物と目が会い固まる。


