こんな能力(ちから)なんていらなかった



「大事なもんだからお前に持ってて欲しいんだよ」

「やっぱ大事なんじゃん!」


 紫音はニッコリと微笑み、リングに手を触れた。

 手の動きが一々イヤラシくて、優羽はドキドキする。


「銀は、昔から魔を祓うものとされてきたんだよ」


 そんぐらい知ってるだろ?と言う紫音に優羽は首を縦に振る。


「少しは悪夢も見なくなるかもしれないから、肌身離さずつけてろ」

「でもっ」


 この後に及んでまだ渋る優羽に紫音は溜息をもらした。


「いいか?これは罰だ」

「は、罰!?」

「お前が俺のことを無視した、な」


 だから、付けろ。


 有無を言わせない口調に優羽は慌てて頷いた。

 顔はビクビクさせてたけれど、でも、内心ではすごく嬉しがってた。
 だって、紫音の大切なものを貰えたのだから。