——奢ってもらってばっかだな……
なんて思った時ハッとする。
今迄そこまで考えてなかったけど、
私紫音に奢らせてばっかじゃない!?
それってどうなの!?と頭を抱える。
払わせてばっかりって印象悪くしかならない気がする。
「おっお財布……!」
優羽は真っ青な顔で鞄を漁り出す。
「……これから何買いに行く気?」
「違くてっ……お金!」
優羽はゴソゴソと自分の鞄を漁る。
その腕を紫音が止めた。
「別にいらないよ。ご褒美だから」
「……でも」
これ以上印象悪くしたくないの!
なんて言えるわけない。
「……やっぱ払わせて」
「駄目」
「なんっで……」
「今日は俺の奢りって決めてたから」
今日“は”じゃない。
今日“も”だ。
そんなこと言われても、嫌われたくない一心の優羽には意味がない。
なんとか受け取って貰おうと色々と手を尽くすも結局映画が始まるまでに受け取ってもらうことは出来なかった。


