こんな能力(ちから)なんていらなかった




 指先にいる人達は皆一様にポップコーンを買っていた。


「買ってくれんの!?」

「だから聞いてるんだろ?」


 優羽は塩!と答えると紫音は分かった、と笑って長蛇の列に並びに行った。


 これは時間がかかることを瞬時に悟った優羽は近くにあったベンチに腰を下ろした。

 そこで待つこと数分。


「……飽きた」


 優羽は立ち上がると、フラフラ〜と歩き出す。
 そしてグッズ売り場を見つけるとそこに足を進めた。


 紫音の方を見ればまだ数分はかかりそうな気配だ。


 優羽はいいのないかなーと物色を始めた。

 丁度好きなアニメが放映されていたので、それのキャラのストラップが売られていた。


どれか買っちゃおうかなー。


 しゃがみこんでそれらのどれを買うか決めるのに没頭していた優羽は不意に肩をひかれて小さく声を上げる。

 振り向いたそこには見覚えのない二人組がいた。


「……っ!」


 優羽の肩を引いた男は優羽の顔を見て、目を見開いた後唾を飲む。

 優羽はポカンとした表情でその2人組を見つめると、


「人違いじゃないですか?」


淡々と告げた。

 男達は優羽の言葉を聞いた後顔を見合わせて、急に笑顔になった。