こんな能力(ちから)なんていらなかった



「黒パンはまだしも、ブラはねぇ……女子高生としてどうなのよ?」

「はい……」

「体育なかったから良かったものの次は無いようにしなさいね」

「葵はお母さん……?」

「優羽の為に怒ってるんでしょう……?」

「すいません!」


 瞬時に土下座モードへと移行した優羽を呆れた目で見る葵。


「以後、気をつけるようにね」

「はーい」


 優羽の顔を見た葵はにっこり笑った。
 相変わらず可愛い。

 危うく抱きつきそうになったが 、なんとか踏みとどまる。


「あ、そうだ。ねぇ葵は紫音と幼馴染なんだよね?」

「うん?」

「紫音って手作りのお菓子食べる人?」


 葵はあー、と察した顔になる。


「紫音はね何でも、なーんでも食べるわよ」

「そうなの?」

「なーんでもね」


 葵はだから心配する必要ないよと笑った。


「う、うん……」


 だけど、何故だろう。
 “なんでも”を強調するわけは。


 それがやけに気になった。