こんな能力(ちから)なんていらなかった





***




「なんかいいことあったの?」

「……わかる?」


 葵は分かるわよ、と不機嫌そうに言った。
 優羽はその視線に負けて小さな声で今朝のことを話した。


「……つまり、夜這いされたってこと?」

「違うよ!」


 葵ははーぁと溜息をついた。


「何であの男の片棒担がなきゃいけないのよ……」

「?」


 優羽の方をチラリと見ただけで葵はまた溜息をつく。


「優羽のためとはいえ、腹立たしいことこの上ないわね」

「どうゆうこと?」

「なんでもないわよ」


 葵はもう一度溜息をつく。


「あ、そうだ」

「うわっ!?」


 葵の突然の行動に度肝を抜かれる。


「なんでスカート捲んの!?」

「今日はちゃんと履いてるかなぁと思いまして」

「昨日はうっかりだって!」


 葵にじと目で見られる。


「うっかりブラし忘れることは滅多にないわよ?」

「それは……すいません」


 それが露見したのは昨日。

 朝寝坊して急いだら黒パンとブラつけていくのを忘れた。