浩平が隣室にいる浩平の同期や一年生を呼ばず、メイにメッセージを送ってきたこと。

浩平が電子機器が苦手で、メイが少し得意で、それを手伝えるということ。

それだけのことがメイの一日に理由を与えた。



隣の部屋、実践室の扉をノックもせずに開けると、小難しそうな表情をした浩平がパソコンをにらみつけていた。
「待ちくたびれました」と、浩平がメイの方に座った椅子をくるりと回して向き直る。椅子に座った浩平よりも、立ったメイの方が少し背が高い。




「せんぱい、たすけに来たよ」




浩平に向かってメイは至って平坦に聞こえるように言った。