「さなぁーおきなさーい!」
朝から、セットしてある目覚ましよりも早く起こす母にいらいらしながら、目を覚ました。

「はーピピピピピピピピピ……ピピピ……」
あたしの力無い返事は、力強い目覚ましの音にかき消された。


「ツイてない」
あたしの今日の最初の言葉。


それから、顔洗って、着替えて、ご飯食べて。
中学に行くのと変わらない準備。


準備を終えたあたしは
「行ってきまーす」
と、一言。
「何言ってるの? 今日は入学式でしょ?」
と、母。

あ、そうだった。今日は入学式か。

あたしが思い出したような顔をすると、
「あんた、やっぱりどこか抜けてるわよ」

「さーせん」
あたしは、怒りを抑えながら謝った。

「まったく。これからが心配だわ」

「ほぉーい」
もう、怒る気力すらない。あたし。


そんなこんなで、母と家を出た。