席に着くときに、りゅうくんがムスッとした顔でこっちを見ていた。
「どうしたの?」
「……さな。あとで話があります。お昼のときは覚悟しておいて?」
「……ん?覚悟?ってなんの?」
「いーから。覚悟しておいてね」
「う、うん」
覚悟ってなんだろう。
ぜんぜんわかんないや……。
ガラガラガラ
突然、開いた教室のドア。
もちろんみんな注目。
「おはよーございまーす。皆さん」
「「なんだよー」」
これは、男子たちの声。
「「え。やば!イケメン」」
これは、女子たちの声。
なるほど、男子たちはよく少年マンガにでてくる、めっちゃ綺麗な女の先生を望んでたのか。
なるほど、女子たちは予想よりはるかにカッコいい先生だったから、驚きを隠せてないのか。
「僕がこのクラスの担任をすることになった、早坂浩太(ハヤサカコウタ)です。3年間よろしくね」
あ、そう言えば言ってたな。
入学式の日に、クラス替えはしませんって。
って、ことは……3年間このクラス……。
いや、正直……。
めっちゃ楽しみっ!
