「よしっ!そろそろ学校行こっか?遅刻しますよ」
「げっ!もうそんな時間?!早く行かなきゃ!」
「ですね~」
そう言っているりゅうくんはぜんぜん焦っていなくて、逆に面白がってるようにも見える。
あーだめだめ。
前田。だめだよ。
登校日初日から、りゅうくんと登校、その上、遅刻……あ、やばい!
これは、まずい。
大変なことになる……。
「じゃ、走りますかっ!さな!」
そう言って、あたしに差し出してきたのは、りゅうくんのたくましい手。
「う、うん///」
あたしは、りゅうくんと手を繋いだ。
男の子と手を繋ぐなんて、フォークダンス以来だよ……。
ううう……緊張する……なんでだろ。
