君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~

ドアを閉めると同時に深い溜め息が漏れる。


自分でも驚くくらい私、圭吾さんと結婚したいって思ってるんだ。

気持ちよく眠る光太君を見つめてしまった。


...橘さんが羨ましいな。
大好きな人と結婚して毎日一緒にいられて。
可愛い光太君もいて。


私も結婚したい。
したいけど、未来は不安だらけだもの。きっと圭吾さんは日本にはまだまだ戻れそうにないし。
私も今の仕事を中途半端なまま投げ出して辞めたくない。
そうしたらどうやっても未来に結び付かないのよね。

したい気持ちは強くあるのにな。

気持ちだけでは出来ないって現実に切なくなる。


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「いやー、悪かったな東野、櫻田。おかげさまで亜希子と楽しい一日を過ごせたよ」


「そりゃよかったな」


圭吾さんは嫌味を込めて言ったというのに、藤原さんは気にする様子なく笑う。


「櫻田さん、どうもありがとう」


「いいえ。どういたしまして」


光太君はママの橘さんの腕の中に戻ると、嬉しそうに笑った。


「...やっぱりママが分かるよね。一番だよね」


たった一日だったけど、寂しいな。


「どうだった?疑似新婚生活は」


「ぎっ、疑似って...」


するとなぜか橘さんは私の耳元に顔を近づけ、二人に気付かれないようそっと囁いてきた。


「少しは東野さんも早く赤ちゃんが欲しい!って思ってくれたらいいわね?」


「なっ...!」


私から顔を離すと、昔のように勝ち誇った表情を見せる橘さん。


そっ、そりゃ私だってそんなことを思ったりしちゃったけど。
でも人に言われると恥ずかしい。


「そうそう、これ。今日のお礼。俺と亜希子から」


「なんだ?これ」


藤原さんから受け取ると中を見る圭吾さん。


なんだろう?嬉しいな。


気になり私も覗き込む。


「「ディナー招待券?」」


思わず圭吾さんと声がハモってしまった。


あれ...?


「ちょっと待って。これ、有効期限今日までじゃない?」


「本当だ」


「だからプレゼントなんだろ?明日にはお前、また帰っちまうんだから。どうせまたしばらく帰って来ないんだろ?だったら最後の夜くらい豪華なご飯でも食べてこいよ」


「藤原...」