同い年で早くに結婚して。
かすみはどんな人生を歩んできたのか。


「そうねぇ、そりゃ幸せなことばかりじゃなくて大変なことも辛いこともあったわよ。正直、なんでこんなに早くに結婚しちゃったんだろうって思ったこともあった」


「...そうだったの?」


「勿論よ。...でもね、実際結婚してみないと分からないことだってあったし、他人同士が家族になっていくには色々ないと分かり合えないと思うの。お互い不満や不安をぶつけながら家族になっていくんじゃないかな」


「.....」


言葉が見つからなかった。
高校時代は一緒に遊んで恋ばなして。同じ目線で過ごしていたのに、今目の前にいるかすみはまるで別人のようで。
かすみが大人に見えて。...私はまだまだ子供だなって思い知らされた。



「菜々子もさ、色々不安とかあるかもしれないけど一番大切なのは菜々子の気持ちだと思うよ。...好きでずっと一緒にいたいって思える人なら大丈夫だよ」


「...うん」


ずっと一緒にいたいって思える人


それは確かなこと。圭吾さんとはこれから先の未来もずっと一緒にいたい。

だけど結婚する意味ばかり考えてしまっていて。気持ちが通じ合っていればそれだけでいいんじゃないかって考えたりもした。


「そうだね。...結婚って単に好きな人と一生一緒にいられるだけじゃなくて、好きな人と家族になるってことなんだよね」


「そうそう。それが一番大切なことだよ。...菜々子からの良い知らせを待ってるよ!」


「...うん!」


「おーい!菜々子!飲んでるかぁ?」


「げっ、ちょっと桜子!?重いから!」


すっかり酔いが回っており上機嫌の桜子は、ふざけて私の背中に乗り掛かってきた。


「あぁ!?重くねぇだろ!私は軽いんだよ!」


「っもう!いいから早く降りて!」


それから二次会三次会とプチ同窓会は夜遅くまで続いて。
懐かしい面々との楽しい時間にお酒はすすみ、実家に日付を跨いで帰宅するとそのまま倒れ込むようにすぐ眠りに就いてしまった。