「ごめんごめん。...だけど仲良いって言うのは本当でしょ?」


「それはまぁ、そうだけどさ...」


「羨ましいよ。菜々子達の関係。この歳になってそんなに仲良いってなかなかないと思うしね」


「うん...」


確かにそうかも。昔からずっと一緒にいられるのは幸せなことだよね。


みんなそれぞれ盛り上がっていて店内はざわざわと騒ついている。


「ところで!菜々子結婚したの?」


「えっ!?なっ、なんで!?まだしてないわよ!」


「ははーん!まだってことは婚約中なのね。その指輪の彼とは」


かすみにそう言われ、咄嗟に左手を隠してしまった。


「もー!別に隠すことないじゃん!こっちからしてみれば、やっとか!って感じなんだから!」


「いや、なんかやっぱ恥ずかしいじゃない」


「えぇー。なんでよ。言っておくけど殆どみんな結婚しちゃってるんだからね?遅いくらいよ」


「えっ!そうなの!?」


みんないつの間に!?


「そうよー。早くしないと負け組になっちゃうわよ」


そう言いながら上機嫌でお酒を飲むかすみ。
そんなかすみの左手にも私と同じ指に指輪がはめられている。


かすみは高校を出てすぐ就職をして。そして若いうちに結婚した。
今は二人の子供を育てながら両立して仕事もしている。


「ねぇ、子供は元気?もういくつになったの?」


「七歳と五歳。やっと手が離れてきたよ」


「七歳かぁ...」


同い年なのに、かすみはもうママなのよね。


「菜々子も早く結婚して子供作りなさいよね。もう若くないんだから」


「...分かってるわよ。若くないってことは充分に!...ねぇ、かすみ」


「んー?」


「かすみはさ、早くに結婚したじゃない?...やっぱり結婚すると、幸せだなって思ったりする?辛い時とかあったりした?」


「えぇーなに?菜々子ってばマリッジブルーなの?」


「べっ、別にそんなわけじゃないんだけど」


だけど聞いてみたくなってしまった。