五條さんが櫻田さんの友人である以上、そういった感情を抱けない。
だってそうだろ?
いまだに櫻田さんのことが忘れられないのに……。
それに万が一、櫻田さんのことを忘れることができて、五條さんを好きになったとしても、彼女との関係を築いていく中に必ず櫻田さんが存在する。
そんな中で、五條さんとの関係をうまく築いていく自信なんて、正直ない……。
歳を取れば取るほど、失恋の傷はなかなか癒えてくれない。
そして、どんどん臆病になっていく。
その理由は分かっている。
単純に傷つきたくないし、誰かを傷つけることもしたくないからだって。
だから俺はずるいって分かっていながらも、彼女に誘われると会ってしまうんだ。
激務の毎日を癒してくれる空間をくれる、彼女に――……。
――――――――――
――――――
「……やべ、ギリギリだな」
あれから考え事をしてしまっていて、気付いた時には時間が過ぎていた。
慌てて残りの雑務をこなし、会社を出る頃には、待ち合わせ時間ギリギリになっていた。
でも、今から急いでいけばなんとか間に合う時間。
腕時計で時間を確認しながらも、会社の外へと出る。
なぜか彼女から指定されたのは、いつもとは違い、ある駅前。
いつもは居酒屋をダイレクト指定してくるのに、な。あそこまでだったら電車も頻繁に通ってるし、車で行くより早いだろ。
そう思い、駅へと向かおうとした時。
だってそうだろ?
いまだに櫻田さんのことが忘れられないのに……。
それに万が一、櫻田さんのことを忘れることができて、五條さんを好きになったとしても、彼女との関係を築いていく中に必ず櫻田さんが存在する。
そんな中で、五條さんとの関係をうまく築いていく自信なんて、正直ない……。
歳を取れば取るほど、失恋の傷はなかなか癒えてくれない。
そして、どんどん臆病になっていく。
その理由は分かっている。
単純に傷つきたくないし、誰かを傷つけることもしたくないからだって。
だから俺はずるいって分かっていながらも、彼女に誘われると会ってしまうんだ。
激務の毎日を癒してくれる空間をくれる、彼女に――……。
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「……やべ、ギリギリだな」
あれから考え事をしてしまっていて、気付いた時には時間が過ぎていた。
慌てて残りの雑務をこなし、会社を出る頃には、待ち合わせ時間ギリギリになっていた。
でも、今から急いでいけばなんとか間に合う時間。
腕時計で時間を確認しながらも、会社の外へと出る。
なぜか彼女から指定されたのは、いつもとは違い、ある駅前。
いつもは居酒屋をダイレクト指定してくるのに、な。あそこまでだったら電車も頻繁に通ってるし、車で行くより早いだろ。
そう思い、駅へと向かおうとした時。



