お父さんは圭吾さんと同じくらい背が高くてスリムで。そして優しい顔をしている。
あっ、笑った顔は圭吾さんに似ているかも。

そしてお母さんも背が高くて、綺麗で。…うん、絶対圭吾さんはお母さん似かも。

そんなことを考えながらも交互に二人を見てしまっていると、ばっちり目が合ってしまう。

「初めまして。圭吾の母です」

するとお母さんは微笑みかけてくれて、私に頭を下げる。

「あっ!初めまして!櫻田菜々子と言います!」

緊張のあまり大きな声が出てしまい、みんなにクスクスと笑われる始末。
そして圭吾さんにも。

「取り敢えず行こうか。予約してあるから」

先に歩き出したお父さんとお母さんの後をついていく私達。

圭吾さんはいまだに笑っている。

「…そんなに笑うことないじゃないですか」

「悪い、可愛いなって思って」

「可愛くなんてありません!」

最初から恥ずかしい思いしたっていうのに!

「ごめんってば。大丈夫だよ、そのままで」

そう言うとポンポンと頭を叩いてくる圭吾さん。

本当に大丈夫ならいいんだけど…。

不安を抱えたままレストランへと向かった。