二人と別れて控室へと急いだ。

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結婚式って幸せで楽しいっていうイメージしかなかったけど、実は意外に大変だった。まず準備。
もう今日まで圭吾さんと二人なんどノイローゼになりかけたことか。

そして当日のハードなスケジュール。特に女の私は余計に時間が掛かるから大変。

それに加えてこの圧迫を与えてくれるコルセット。苦しくてたまらない。

あれから披露宴が始まって、今は我が社の社長様の挨拶。副社長の父親とは思えないほど絵にかいたような真面目な経営者像そのもの。

そんな社長の挨拶も終わり次はやっと乾杯。それからは少しほっとできそう。

司会者に名前を呼ばれ、前に出て来たのは副社長。
そしてそんな副社長の顔は、あのなにか企んでいるような笑顔。

『えー…、東野君も菜々子さんも我が社にとって欠かせない大変優秀な人材です。菜々子さんは、私の秘書として日々ご活躍頂いてますが、どうやら新郎の東野君は菜々子さんと一緒に仕事をしている俺にやきもちを妬いてしまうそうなので、今後は気を付けながら仕事に取り組みたいと思います!乾杯ー!』

そう言ってグラスを上に掲げる副社長。