君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~

「びっくりした、櫻田さんか。…あれ大貫さんは?」

「大貫さんなら副社長とは違い、本当に仕事の電話対応中です」

「そっか…」

何か言いたそうな様子の副社長。

「で?副社長はなにを考えておられたんですか?」

急に私と大貫さんを二人っきりになんてしちゃって。

「あ。その顔だと俺の作戦なんてお見通しかな?」

やっぱりなにか考えていたんだ。

「…取り敢えず戻ろうか。話はそこで」

「分かりました」

そう言って先に歩き出した副社長の後をついていく。
そのままエレベーターに乗り、上に上がっていくがなぜかレストランのある階で止まることなく、さらにエレベーターは上昇していく。

「え…副社長間違ってますよ」

「ううん、間違いなんかじゃないよ」

その言葉と同時にエレベーターはたどり着き、扉が開く。

目の前にはバーの看板。

「大貫さんに連絡してくるから、先に入っていて」

「え…ちょっと副社長!?」

先に入っていてって…。

「そんなこと言われたって…」

第一副社長と二人っきりなんて不味いに決まってるじゃない。

そう思い取り敢えずレストランに戻ろうとしたとき

「いらっしゃいませ。お待ちしておりました」

「…え?」